資金のない底辺ユーチューバーみたいなしょぼい企画ですね。
僕はレトルトのカレーが好きでよく食べてるけど、レトルトカレーって78円っていう超安いやつから500円くらいするような、店で食ったほうがいいんじゃないのっていうほど高いのまでいろいろある。
78円のはさすがに美味しくないと思うけど、200円くらいのやつと500円くらいのやつとか食べ比べたことがないのでよくわからない。
で、ほどほどのお値段ということでいつも200円くらいのを食べている。
でもふと思いました。
カレーの味なんてスパイスで決まるわけだし、ちょっと高価なスパイスが入っていたところで所詮スパイス、大きな値段の差が生まれるとは思えない。
もしかしてベースのカレーの味には大差がなくて、具材のコストで決まってるんじゃないだろうか。
ココイチだってベースのカレーは同じで、トッピングで値段変わるわけだし。
200円くらいのやつにトッピングを工夫するだけで十分なのかもしれない。
これはちょっと気になるので、実食してみて最もバランスがいいカレーを選び出したいと思います。
ちなみに僕は松屋のカレーよりココイチのカレーのほうが断然好みです。
レギュレーションを決める
ルールですね。
バターチキンカレーとかキーマとか目指してる味がぜんぜん違っていてカレーとしては亜種もいいとこなので、ある程度のレギュレーションを設定しないと味の好みで評価が変わってしまう。ということでオーソドックスな「カレー」のみでチョイス。
辛さは中辛をチョイス。辛口だと辛さで舌がマヒして味の判定影響が出そうなので。
また、メーカーによって基本となる味のベースが違うのでメーカーはS&Bに統一。
それと、日をまたぐと味を忘れてしまうので、ぜんぶ一度に食べ比べることにした。
なお価格は税別表示。
S&B おいしいカレー(78円)
凄まじく安い超庶民派レトルトカレー。
ドラッグストアの安売りで更に値下げして58円で並んでいることも。原価どうなってんの!
実食
ヌタっとした小麦粉の味がする。
具は極小でかろうじて人参とジャガイモの存在が分かるが歯ごたえは皆無。口に入れた瞬間舌の上で自然崩壊するほど完全に自我を失っている。
全体としてカレー風味のゲル状のペーストといった感じ。
良く言うとまとまっているが悪く言うとぼやけた味。
カレー曜日(189円)
こちらもどこのスーパーでも入手できるカレー界のベストセラー。
これを置いてないスーパーはスーパーマーケットを名乗ることさえおこがましいので燃えたほうがいい。
実食
具感がすごい。
特に人参とジャガイモの存在感はトップクラスでゴロゴロ入ってる。共にしっかりした歯ごたえがありお腹が満足する感じがした。
こちらもカレー風味のゲル状のペースト、ではあるが、ザ・ニッポンのカレーという安定感のある味わい。
今回はすべてカレーライスとして食べたが、カレー曜日がライスにいちばん合っている気がしました。
噂の名店 欧風ビーフカレー(298円)
そのへんのスーパーマーケットで売ってる限界の値段。庶民にできる最大の贅沢。
これより高いものはS&Bみたいな大手のカレーにはなく、どこかの地方でお土産に売っているような聞いたこともないメーカーの特殊なカレーになる。熊カレーとか。
実食
デミグラスソースの香りがすごい。
カレーというよりもデミグラスソースを食べてる感じがする。これは好みがわかれるところ。
パッケージのどこにもそんなことは書いてないだけに意外だった。「欧風」ってのはデミグラスのことなのか。
冷凍食品で300円くらいのデミグラスハンバーグに付いてるデミグラスソースにカレー粉を混ぜるとおそらく同じ味になる気がする。
親指の第一関節くらいの大きさの牛肉が入っていてしっかりした歯ごたえで肉食ってる感が強いが、おそらくいい肉ではない。いい肉を煮込んだ時のジューシーな柔らかさはなく少しパサパサ感がある。
口に入れたときはデミグラス!って主張がすごいけど、後味にはカレーのスパイスが強い。そのせいかカレーとデミグラスソースのまとまりの無さを感じた。
また、今回のラインナップで一番辛味があった。
プレミアム フォン・ド・ボー ディナーカレー(438円)
税込みだと473円の超高級レトルト。この価格帯のレトルトって登山用の携帯食料を500円や800円くらいで買ったのしか経験がない。
庶民が行くようなスーパーマーケットには置いてない高級品。庶民は実物を見ることさえ許されないのか。
うちの近所だとクイーンズ伊勢丹でしか置いてない。
実食
こちらもデミグラスソースの風味が強いが、噂の名店と違ってソースの一体感はこちらのほうが上。カレー風味とデミグラスソースが喧嘩せず調和したまろやかな味。コクもあってさすがに最高級品の貫禄を見せつける。具は大きく食べ応えがあり、牛肉は噂の名店よりもほろほろと口の中でバラけていく感じ。パサつきはなく中までソースがしっかりしみ込んでいる。
他の具としてはマッシュルームの主張が強い。
カレー感は強くないが、名前のとおり、フォンドヴォーをじっくり煮込んで丁寧に作ったような気品さえ感じる。
ただやはり、カレーと呼ぶには抵抗がある。
ブラインドテストで「デミグラスシチューです」って言ったら10人中10人くらいは信じるかもしんない。
総評
思った以上にハッキリとした味の方向性の違いがあった。
むしろデミグラス勢があまりにもカレーとしての本分を忘れている。
フランス料理の三ツ星シェフが作ったオリジナルのカレーっぽい何か。ハヤシライスにカレー粉入れたら同じ味になりそう。
カレーを食べたかったのにデミグラスソースを食わされたという感想がすべて。
高くて高級なのは確かなんだろうけどありふれたカレーが食べたいなぁ、という人にはおすすめしない。
噂の名店が一番の本命だっただけに残念でならない。
もう一度食べたいかを価格も考慮して点数化してみた。
1位 カレー曜日(80点)
2位 プレミアム フォン・ド・ボー ディナーカレー(60点)
3位 噂の名店 欧風ビーフカレー(40点)
4位 S&B おいしいカレー(20点)
コストと味のバランス的にカレー曜日がダントツトップになってしまいました。
好みの問題も当然あるけど今回のラインナップでは、カレー食べたいというときに日本人が頭に思い浮かべるカレーに最も近かったのがカレー曜日。
ディナーカレーは「カレー?」という疑問を感じるものの、カレーっぽいシチューと考えたらとりあえず味は美味しい。ただ、値段なりの価値を感じるかというと否定したい。300円くらいなら70点あげてもいい。
噂の名店は正直もう買いません・・・。おいしいカレーよりは旨いけど値段の高さが足を引っ張っている。
おいしいカレーは・・・ぜんぜん金がなくてどうしようもないときの救世主カレーとして選択肢に残る程度で、やはり200円あたりの価格帯のレトルトカレーがいちばん無難だと感じました。
今回レビューを書きながら食べていたせいで最後のほうで冷めてしまったけど、冷めていても問題なくカレーとして食べられたのはカレー曜日だった。
反対に、温め直さないと食べれないほどクセが強かったのが噂の名店。デミグラスソースの風味が強すぎて気持ち悪くなりそうだった。
ところで最後にぜんぶ混ぜて食べてみたらめちゃくちゃ美味しかったです。なにこれ・・・。
コクがあってまろやかでデミグラス感が消え去ってカレーのスパイスがしっかり感じられる。
特に「おいしいカレー」とデミグラス勢の組み合わせが超うまい。カレー曜日は具が邪魔をして混ざりにくい。
ブレンドしたときの評価は上記の点数に30点足してもいいくらいになる。2食分たべるというヘビーな食事になりますが。
今度は200円クラスのレトルトカレーを食べ比べたいけどあの価格帯って商品多すぎて一度に味見するのは現実的じゃないですね。