さすがにバカは言いすぎですがタイトルのインパクト狙いということで。
クライアントに10年以上の付き合いになる、町工場のジイさんみたいな社長さんがいて、ときどき相談事を受けてはあまりお金にならない案件を承ったりしている。
「ちょっとご相談が・・・」と連絡が来るとメールで返答したり時には先方に出向いたりして相談を受ける。
相談と言っても本当に大したことない内容で、小手先の修正で済む程度のものがほとんど。なので案件に発展したところで作業的には1、2時間もあれば終わってしまう工数になり、請求できる金額も微々たるもの。あ、僕はだいたい時間当たり3千円程度で受けています。特殊な技術を要する場合はそこにプラスアルファがあることもありますが。
町工場の社長と言っても、多くの人が想像するような江戸っこみたいな恰幅のいい職人とかじゃなく、物腰が非常に低い気のいいジイさんで、僕も長い付き合いなので超良心的な価格で受けたり時にはボランティアでサービスみたいに受けたりすることもあります。
で、久々に連絡があって、新たにサービスを始めたいことがあるというのでちょっと相談したいと。
いつもならホイホイとタダで話を聞きに行くところですが、試しに、
これはコンサルの範疇なのでご相談料をいただいてもよろしいですか。
と言ってみたんですよ。
ジイさんも意外だったようでちょっと時間が止まったけど、ええ、もちろんお支払いします。と。
で、先方に出向いてみましたらびっくりな事態に。
新サービスに関する資料と商材が揃えられて、今後の展望とどうやって進めていくのがいいかという具体的な質問が出揃っていた。
どーしたのジイさん!
今まで出向いて行ってもお茶しか出てこなかったじゃん!
こんな資料とか用意できる人だったのか!
10年以上付き合いがあってすっかり誤解していましたが、このジイさんはまかりなりにも何十年と自分の会社を守り続けた兵(つわもの)で、いま新たに会社の発展を目指して果敢に戦いを挑もうとしている老兵なんだと考えを改めさせられた。
結局のところ、タダで受けられるサポートだと、どこかでやっぱり気の緩みが出てしまうし、何よりも、こんなことまで相談してもいいものかと遠慮してしまって聞きにくくなるということなんですね。
相談料はたかだか数千円にすぎないものの、いざお金がかかるとなると、取り組む姿勢が変わるし時間を無駄にしないようにする努力もするようになる。ユーザーが賢くなるのだ。
無料承りってのは確かに間口は広くなるけど、サポートする側の質も顧客の質も下げてしまうだけでロクなもんじゃないなと改めて思わされた。
新規顧客に対してならせいぜい初回無料ってのが落としどころですね。