出版屋とweb屋の認識の乖離




契約してるクライアントに出版社がいます。

そこの営業マンが、webサイトを作ることになるのでちょっと相談に乗ってほしいというのでめんどうだなぁと思いながら口には出さず聞いてきた。顔には出てたかもしれない




事の経緯は

どっかの出版社がやっていたwebコンテンツを譲り受けることになったので、そのコンテンツを利用して全面リニューアル、広告もバンバン取りたいという、どこにでもありそうな妄想です。

話を聞いただけで、ああ、もう駄目だ、と思ったわけですが、

なぜ元の会社がそのコンテンツを手放すことになったのか

をなんで考えないのかな。
ダメだったから手放すわけでしょ。
ごみをリサイクルしても金脈なんて埋まってないと思うんですが。

凄まじいどんぶり勘定

元のサイトは月間5万PVくらい。
10年以上やってるサイトで、ドメインは色々あって譲り受けられないので新規ドメインになる。

で、出版社なので紙をやってる連中なわけで、5万っていう数字に色めきだっちゃったんですよね。

webやってると5万PVって「ふーん」っていう程度のノリで、ここから算出される広告費はアドセンスとかアフィ入れて月にせいぜい2~4万円くらいかなぁっていう感覚。
よほど特殊なジャンルでない限りまぁこんなもん。5万PVのサイトで固定バナー売り歩くのは度胸要るなぁ。やり方次第ではあるし5万PVのサイトで月100万円あげてるアフィサイトもあるけど、今回の題材では難しいと感じた。

クリックレートが0.5%程度として月250クリック。
月1万円くらいならまぁなんとか。
でもクリック単価400円。語学とかサプリとかそういうサイトでそういうバナーでもないと厳しいなぁ。

これを営業マン、1バナー月15万円って豪語しちゃう。
5か所バナー設定して75万円!

雑誌って、せいぜい3万部程度しか売れないんですよね。
いや3万もあればけっこう強い媒体で、1万いくかどうかで苦しんでる雑誌はたくさんある。
僕が昔勤めていた出版社で、エリア情報誌として名の知れた雑誌を出していたわけですが、それでも3万部。公称部数10万部っス。3倍盛りならマシなほう。ウチの会社で最強の盛り雑誌は公称10倍盛だった。
で、1ページ広告が純広50万円くらいの世界。

紙の人たちの中にはやっぱりこの辺の感覚がweb屋と乖離している昔の人たちがいて、5万PVって聞くとすっげー!って鼻息荒くなるんですね。

かつて本を作るのが儲かるっていうので本屋が出版やり始めて、出版が落ち目になったので今度はwebにやってきた。
でもね、webはウソをつくのが難しくてバナークリック数なんて先方で計測されたらバレバレで、もっと厳しい世界だと思うんですよ。

そんなわけで、新年度に新たな事業を模索して盛り上がってる人たちのテンションを下げてきてしまっただけの一日でした。




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