友人が新しく自作PCでパソコンを新調するというので手伝いに行って、要らなくなったパソコンを引き取ってきました。
ちなみに
この記事で紹介したAPU版Ryzenのプランとほぼ同じ構成。
で、貰ってきたパソコンはメーカー不明のWindows7のPC。
見た感じ、どこかのショップのBTOっぽい。たぶんドスパラ。
ケースにはAthlonIIのシールが貼ってあるし10年以上前に買ったということでどう考えてもゴミに違いないんですが、なんとPhenomが入ってたんですよ。で、AMD信者としてちょっと興味が湧いたのでうっかり引き取ってきてしまいました。
持ち帰ってとりあえず電源を入れてみると・・・
ゴー!
ものすごい動作音。
扇風機や空気清浄機の最強運転モードよりも遥かに大きな音がします。
CPUが異常過熱してファンが最大になってるんじゃないかと思ってBIOSを見てみても温度は正常範囲。
っていうかCPUファンの音があまりにも大きすぎる。
ケースを開けてみるとDVDドライブがCPUファンを隙間なく覆う形で配置されており、ここで発生する風切り音が凄まじいことになっていました。
DVDドライブを取るとすごく静かになります。
友人はよくこんな爆音PCを今まで使ってきていたなと感心というかもはや呆れます。
彼が「今のパソコンって静かなんだな!」って言っていたのはこういうことかと納得しました。
さて、使い道がないこのパソコン。
捨てる前にちょっと実験してみます。
※今回実験した環境での検証結果です。違った環境で同じようになるかはわかりませんので、自身で実験するときは自己責任で。
もくじ
Windows7からWindows10への無料アップグレードはまだ可能なのか?
Windows10がリリースされたとき、既存のWindows(7や8)から無料でアップグレードできる期間が設けられていました。
これは期限付きのリリースで、2016年には終了してしまいました。
ところが2017年に試したときはまだ可能でした。
そして2019年。今でもできるのか、というのを実験したので記事にしてみました。
まずこのパソコンのライセンスがどうなっているかチェックしてみます。
スタートボタンをクリックし、「アクセサリ」の中にある「コマンドプロンプト」をクリック。
次に
slmgr -dlv
と入力してエンター。
そうすると
こんなウインドウが表示されます。
古いパソコンだと少し時間がかかる場合もあります。
Windows7 HomeのOEM版が入っていて、ライセンス認証されているのが確認できます。
リセット回数が4回になってますが有効期限の表示がないので、この回数が減ることはまずないでしょう(ライセンスの無い評価版だと有効期限が表示され30日で1回減る)。
SSDのパーティションをチェックしたところ、もともとはVistaが入っていて、その後にWindows7にアップグレードされていました。そのため、Vistaの回復パーティションが残っていました。
このツールで表示できるプロダクトキーは一部しか表示されないので、フルのプロダクトキーが何なのか確認してみます。
http://www.rjlsoftware.com/software/utility/winproductkey/download.shtml
こちらにアクセス。
Compressed .ZIP Fileというリンクをクリックすると圧縮ファイルがダウンロードされます。
解凍して実行ファイルを開くと
このようなウインドウでプロダクトキーが表示されます。
(ちなみにWindows7でキャプチャするのを忘れていたので別のWindows10マシンで実行しました)
PC本体に貼り付けてあるCOAシールのプロダクトキーとも一致しています。
Windows10へアップグレード(クリーンインストール)してみる
ではさっそく、Windows10の無償アップグレードが可能かどうか試してみましょう。
用意するもの
・8GB以上のUSBメモリ
なんでもいいです。起動しなくなった時に修復するためにもインストールメディアは作成しておいたほうがいいです。・バックアップ用のHDDやUSBメモリ
・Windows7のプロダクトキー
クリーンインストールの場合、入力を求められます。
スキップしてWindows10インストール後に入力することも可能。
手順1:念のためバックアップしておく
マイドキュメントやメールクライアントのメールデータエクスポートなど、Cドライブのデータをバックアップしておきます。
手順2:Windows10へのアップグレード
https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10
こちらの「ツールを今すぐダウンロード」をクリックしてMediaCreationTool????.exeというアプリケーションをダウンロードします。????は4桁のバージョンナンバーです。
ダウンロードしたら開きます。
「このPCを今すぐアップグレードする」を選択するとWindows10のアップグレードインストールが始まります。
既にインストールされているアプリケーションの動作検証を行ったのちにアップグレードが始まる。
この場合、すでにライセンス認証されている状態で行われるので、プロダクトキーの入力などを求められることはありません。Windows10が起動すると自動的に認証された状態になっています。
何事もなければ無事Windows10が起動するはず。
致命的なエラーが発生すると
起動しないどころかブルスクに陥る場合も。
これはショックで手ブレしています。
というのはウソでただのピンボケです。
あらかじめWindows7を最新の状態にアップデートしておいたり、外付けストレージやキャプチャボードなど余計なパーツを取り外してアップグレードすることでトラブルを極力回避できますが、不運にもブルスクになってしまった場合に備えて、インストールメディアを作成しておいて損はありません。
MediaCreationTool????.exeを開いてアップグレードする前に
「別のPCのインストールメディアを作成する」を選びます。
しばらくするとUSBにインストールメディアが作成されます。
手順3:Windows10のクリーンインストール
アップグレードで不具合が生じてどうしようもなくなってしまったら、クリーンインストールするしかありません。
Windows7のインストールメディアがある場合は、Windows7を復活させることもできます。
パソコン起動時にDELキー(メーカー製PCだとF2の場合が多い)を押しながら起動してBIOSを表示する。懐かしい画面です。
メニューのどこか(だいたいAdvanced~)にブートデバイスの設定があるので、USBストレージを最優先に設定します。
無事USBメディアから起動すると
プロダクトキーを入力しますが、なぜかWindows7のキーで通ってしまいます。
いいんですかねこれ? ちなみにこのPCは過去に一度もWindows10をインストールしたことがないようです。
この画面を「プロダクトキーがありません」を選択してスキップすることもできますが、起動後にプロダクトキーを入力せねばならないのでどこで入力しても一緒です。
ちなみにWindows7の際にマイクロソフトアカウントで紐づけていると、この画面でスキップしても、インストール後にマイクロソフトアカウントへサインインすることでキーを入力することなく認証されます。
Windows10の再インストールなどもマイクロソフトアカウントを紐づけておくとラクになるので、まだアカウントにサインインしていない人はやっておいたほうがいいですね。
アップグレードは先ほどと同じ。
「カスタム」でクリーンインストールとなります。
ドライブ1がパーティション1と2に分かれています。
これはWindows7が入っていたドライブで、「システムで予約済み」というのは通常はWindows上からでは表示されない領域です。
ほんとはVistaの回復パーティションもあったんですが、クローンやパーティションの連結などのテストをして消してしまっていました。
ドライブ1のパーティション1と2を「削除」を選択して消してしまいます。
ドライブ1が未割り当て領域となるので、これを選択してサイズ最大で適用します。
マイクロソフトアカウントを持っていたらここでサインインできます。
なければ「オフラインアカウント」をクリック。
アカウントを持っていなければ「いいえ」で進む。
スタートボタン→「設定」→「更新とセキュリティ」でライセンスの状態をチェックします。
アップグレード、クリーンインストール両方試しましたが、どちらも正常に認証されていました。
slmgrコマンドで詳細を確認してみます。
たしかアップグレードしたときのキャプチャです。
プロダクトキーはWindows7の時のままですが、なぜかRETAIL channel(パッケージ版)になっています。元はOEMだったのに・・・。
猶予期限リセット可能回数も1001回と実質無制限みたいになっていますね。
まとめ
今回実験してみた限りでは、Windows7からWindows10へのアップグレードは、アップグレードもクリーンインストールも両方可能だったという結果になりました。
Windows10のライセンス認証はいろんな噂や憶測が飛び交っていてよくわかりませんね。
今回のやり方、ライセンス的にはアカン気がするし、そのうち起動しなくなることもあるかも知れませんが、そこまでのチェックはできないのでこのままPCは処分することになります。
以下小ネタです。
Windows10のライセンス別バージョン
RETAIL channel:いわゆるパッケージ版。どんなパソコンへのインストールも可能で、PCからPCへ自由にライセンスを移行できる。
旧Windowsからアップグレードした場合、元がOEM版だろうがなんだろうが自動でこれになってしまうみたい。
OEM_DM channel:DSP版(またはメーカーを問わないOEM版)。販売形態が特殊で、メモリやNICアダプタなどのパーツと抱き合わせで販売されており、それらパーツを組み込むことが前提のライセンス。建前上は、別の自作PCへ移行する際はパーツを移植しなければならないことになっている。
OEM_SLP channel:メーカー製PCにプリインストールされているOEM版。そのPCでのみライセンスが付与されているので別のPCへ移行できない。Windows8のときはBIOSにプロダクトキーが埋め込まれていて別のPCでは認証できなかったようです。
余談ですがWindows7のISOイメージをマイクロソフトからダウンロードする際プロダクトキーの入力を求められるが、OEM_SLPのキーだと通らなかったりする。
OEM_COA_NSLP channel:メーカーを問わないOEM版。ショップのBTOマシンなどで使用されているっぽい。建前上はプリインストールされているPCのみのライセンス。BTOマシンはパーツを入れ替えたりできるので、いつの間にかマザーボードまで置き換わって完全に別物のPCになることもあるが、その場合でもOS上ではライセンスが継続されているなどわけがわからない状況になる。
ヤ〇オクやメ〇カリで1000円前後で販売されているどう考えてもヤバイやつはたぶんこれ。
同じOEMプロダクトキーを使いまわしされているので、誰か一人が引っかかると同じキーのユーザーが一網打尽で使用不可になると思います。
いつ使えなくなるか分からないので爆破時期不明の時限爆弾を抱えているような感じ。
VOLUME_MAK channel:ボリュームライセンス版。企業向けに100ライセンスなどとインストール数が決まっているライセンス。ライセンス数の上限までどんなPCにもインストールできる。
これも海賊版が出回っていて、ある日突然使えなくなることもあると思います。
あと上記とは別でeducationというライセンスもあります。教育機関向けに販売されたライセンスです。
以前中古で購入した
このタブレットがエデュケーションライセンスになっていました。どっかの学校で採用されたもののほとんど使用されることなく処分されたっぽいですね。
今回実験に使ったPC、大手ブログみたいにプレゼント企画というのもちょっと考えたりもしましたが、何をするにもモッサリと遅くて使い物にならないし何よりめんどくさいので、CPUを記念に頂いて丸ごと処分が妥当ですね。使える部品が一つもありませんでした。