Windowsタブレット dynabook Tab S60/S レビュー




先日アキバで見つけたWindowsタブレット、dynabook Tab S60/S PS60SSGK7L7AD2を購入したのでレビューします。
検索してもレビューがほとんどなかったので。

購入したのはいつものイオシス
このショップは時々ちょっと珍しいアイテムを大量(百単位)に仕入れてきて市場価格を大幅に割り込む価格で放出してくれる。

スマホやタブレットなどモバイル端末の品ぞろえにおいてアキバでトップクラスと言えるほど在庫の多いショップ。
中古ガジェットを買い漁るマニアご用達のショップとして有名です。
僕も何度かここでスマホやタブレットを買っています。

今回買ったdynabook Tab S60/Sも中古BランクCランク合わせて600台以上あるので気になる人は公式サイトへ急げ!

amazonだと32GBモデルが3万円前後ですね。

ヤフオクだと2万円代半ばが相場でした。

今回は店頭で13800円(税込み)で購入しました。




dynabook Tab S60/Sのスペック

大雑把に言うと、

・Windows 10 Pro 64bitプリインストール

・インテルAtom x5-Z8300 1.44GHz プロセッサー搭載

・10.1インチWUXGA(1920x1200)液晶搭載

・4GBメモリ、ストレージは64GBフラッシュメモリ(eMMC)

・タブレット単体で約7.0時間、フルサイズキーボードドック接続で約13.0時間のバッテリー駆動

・タブレット単体で軽さ約552g、薄さ約9.1mmの軽量スリムボディ

というスペックです。なおメモリ2GBでストレージが32GBの下位モデルもあります。

発売は2015年8月。

基本スペック
OS種類 Windows 10 Pro 64bit ネットワーク接続 Wi-Fiモデル
記憶容量 64GB メモリ 4GB
CPU Atom x5-Z8300 1.44GHz コア数 クアッドコア
GPS マイク
Office

なし

インターフェイス microUSB、Micro HDMI、
microSDスロット(microSDHC、microSDXC対応)
センサー 加速度センサー
ジャイロセンサー
デジタルコンパス
バッテリー性能 リチウムポリマー
駆動時間:7時間
画面性能
画面サイズ 10.1 インチ パネル種類 TFT
画面解像度 1920×1200 タッチ対応
ネットワーク
Wi-Fi IEEE802.11a/b/g/n Bluetooth Bluetooth4.0
カメラ
背面カメラ Webカメラ 背面カメラ画素数 800万画素
前面カメラ Webカメラ 前面カメラ画像数 200万画素
サイズ・重量
重量 552 g 幅x高さx奥行 258.8×9.1×178 mm

タブレット端末なのでGPSや加速度、ジャイロセンサーにデジタルコンパスを備えるものの、wifiモデルなのでSIMは挿せません。したがって外で使う時はスマホのテザリングが必須。

dynabook Tab S60/Sの外観


イオシスの評価で中古Bの評価。
このショップの評価はけっこう厳しく、B評価だとほとんど傷もないくらいキレイだ。
A評価だと新品と見分けがつかないときもある。

表面に貼られているフィルムにわずかに1か所スリ傷があるが1mmにも満たない。
このフィルムはおそらく剥がせるので汎用品と貼り替えるのもアリ。


液晶も明るくて非常にクリアで奇麗だ。色ムラなども一切見受けられない。
明るさは4段階で変更できる。上画像でも明るさ50%の状態。


背面。特に傷もない。
企業のリース落ちだと思うけどほとんど使われていなかったのかも知れない。


背面唯一の出っ張りがこのロゴ。
通常、こういう出っ張りはすぐに削れてしまって無残な見た目になるが、ロゴの角にも一切すり減った跡がない。これでB評価である。


下部サイド。
真ん中が専用ドックの接続端子。横の二つはドックに挿すときのヒンジ穴。


上部サイド。
右から電源ボタン、ボリュームアップ、ボリュームダウンキー。


左サイド。
左からスピーカー穴、Windowsキー、SDカードスロット、ヘッドフォン端子、ミニHDMI端子、MicroUSB端子。

ちなみに右サイドには何もない。


付属品はACアダプタのみ。
けどMicroUSB端子なので汎用品でも充電可能。
ただし、この専用ACアダプタは出力が3Aもある。
汎用の2A出力だと充電までにちょっと時間がかかる。
とは言え一般的な2AのUSB充電でもバッテリーが減っていったりすることなく、使いながらの充電ができました。

dynabook Tab S60/Sのイイとこダメなとこ

ココが優れている!

・Windowsタブレットである
今までandroidタブレットは何台か使っていましたが、Windowsタブレットは初。
やっぱデスクトップPCと同じWindowsアプリが動くっていうのは他のタブレットにはない大きなメリット。androidタブレットは結局画面の大きなスマホにすぎず、ただのゲーム端末に成り下がっていましたが、Windowsタブレットはwordやエクセル、使い慣れたエディタやftpクライアントにPhotoshopが動く。これはもう完全に仕事向け。
PhotoshopやIllustratorを使っているwebデザイナーや、使い慣れたエディタでコードを書きたいコーダーやプログラマーが外出先でちょっと使うにはちょうどいい感じ。
ゲームは無理があるけどマイクラ程度なら遊べました。

・メモリが4GB
Windows10使ううえでギリギリのラインだと思います。2GBモデルだとキツそうですが、ストレージがeMMCなのでHDDよりはまだマシ。

・画面解像度がWUXGAの1920x1200!
これが最大のアドバンテージ。高解像度で繊細、非常に明るい液晶でクリア感が素晴らしい。さすが東芝って感じ。
解像度が高い液晶は画面内に表示できる要素が多いので、Photoshopなどでもツールパレットが邪魔になることなく広々と使用できる。
このポイントだけで衝動買いに至りました。
ちなみに今まで使っていたノート、HD液晶で1366×768という解像度。ハッキリ言ってPhotoshopはかなりの苦痛でした。文字パレットを出すともう置き場に困るほど邪魔。画面の狭さはかなりのストレスでした。

・軽い!
以前使っていたノートは1.2キロほど。ACアダプタとケース、マウスも合わせると2キロほどで、これは持ち歩くのにけっこう負担に感じていました。
500グラムちょっとっていうのはすごく軽い!

・思っていたより動作が軽い
atomバカにしてました。
普段の作業なら意外にもストレスなく動作します。
Photoshopはさすがに重いものの、Youtube見たりブログ書いたりwordpressカスタマイズしたりする程度の軽作業なら何の問題もなくサクサク動作する。Youtubeより重いabemaですらカクつくことなくスムーズに再生できる。ニコ生はコメントが少しカクつきますがYoutubeは動画再生支援機能のおかげか本当になめらかな再生。ちなみにリストから動画をクリックして再生が始まるまで2.6秒でした。Ryzenのメインマシンは1秒切るくらいです。
けどゲームしないならこの程度でも使えるなと思いました。
chromeでタブをたくさん開いたりするとモタつきを感じるので使わないタブはバシバシ閉じたほうがいいですね。
あとブラウザはエッジのほうが軽快です。chromeは相変わらずメモリ食いすぎなんですよ。

ココがイマイチ!

・小さすぎる…
10.1インチでWUXGAを表示するとものすごく文字が小さい。
かと言ってUIの大きさを150%にすると見やすいけれど画面が狭くなる。
フルHD以上の解像度で使うなら12インチは必要かなぁと思いました。


100円玉との比較。


タスクバーの時計の文字ピッチはおよそ0.5mm。
これは小さい。老眼だと無理じゃないか。
UIを拡大せず100%の設定で使用すると指ではタスクバーのアイコンをタップできないほど小さい。汎用のスタイラスペンでどうにかタッチできる。

・タブレットとしてのWindowsはイマイチ
やっぱWindowsっていうOSのUIがタブレットに合ってない感がすごい。
Windowsはそもそもマウスとキーボードありきで進化してきたOSなので、タッチパネルで使うにはかなりストレスを感じる。タブレットモードがあるが無駄な足掻き。
最初からこういうものだとして使ってきていたらこんなストレスは感じなかったかもしれないが、普段マウスとキーボードで操作しているせいもあって、余計にストレスが加速する。
僕はノートPCのタッチパッドですらストレスを感じるのでオフにしてマウス使っているほど、操作感を重視します。
こいつの真価はキーボードとマウスを利用してこそ発揮されると感じました。

・拡張性は絶望的
汎用USB端子がなく、充電兼用のMicroUSB端子が1つのみ。
ホストアダプタ対応のMicroUSB端子を汎用USB端子へ変換してくれるOTGケーブルを利用してUSBが使えるようになるが、わずか1端子のみ。ハブを駆動できる電圧があるかどうかは不明。
しかも充電中はとうぜん使えないので二者択一になる。

こういうケーブルで変換できるが、USBメモリの読み取り程度で利用して、メインのキーボードやマウスはBluetoothでの接続が必須になる。

専用のドックがあれば追加のUSB端子を装備しているうえにバッテリーも増える。
けどヤフオクでもなかなか見つからない。

・SDカードが取り出せなくなる
MicroSDカードスロットがあるが、テストで適当なカード差し込んで認識して問題なく動作してOKOKと抜き出そうとすると、取れない。
完全に奥まで刺さってしまうので1mmも出ている部分がなくて掴めない。スロットがSDカードと同じ厚みしかないのでピンセットですら入らない。
よくあるこういうスロットって、もう一度奥まで押すとピョコって出てくるんだけど、こいつは出てこない。もしかしたらそういう機構が壊れているのかも知れないけど、まったく押し込めないのでたぶんそういう機構すらないんじゃないか。
で、結局、裁縫針でなんとか取り出した。
これから挿そうという人は、一度挿したらもう二度と取り出さない覚悟で差し込んでほしい。
(追記:爪がめっちゃ長い人にやってもらったら取り出せました。僕は深爪野郎なので無理でした)

dynabook Tab S60/Sを使ってみて

処理速度:Atom x5-Z8300ってどうなの?

2万円台から5万円くらいのタブレットによく使われているCPU。
正直Atomってもっとクソだと思っていました。
最初に触ったAtomがASUSのEee PCとかいうやつで初代のAtomが入っていましたが、メモリ1GBでクソ遅いHDDに不相応なWindows7を無理やり入れてる感のある拷問器具みたいなやつでした。あれは本当にひどかったんですが、あの先入観のせいで食わず嫌いしてました。

今回のdynabook Tab S60/Sに搭載されているAtom x5-Z8300は2015年の2Qに発売されたCherry Trail世代のCPU。2015年8月発売のこのタブレットにいち早く搭載されています。

Atom x5-Z8300のベンチスコア

比較対象に、最近のノートによく搭載されているCore m3(モバイル向けi3の新名称)と、dynabook Tab S60/Sと同じ2015年に発売されたPentium N3700、いま中古で2万円前後で売られているLet’s note J10に搭載されているCore i3 2350M、現行品のSurface Go MHN-00017に搭載されているPentium Gold 4415Yあと僕のメインマシンのRyzen5 1600のベンチマークスコアを載せておきます。

Cinebench R15 シングルスレッド性能

Cinebench R15 マルチスレッド性能

当たり前ですがRyzenはぶっ飛んでますね。Ryzenが飛びぬけているせいでマルチスレッドのグラフの縮尺がこんなことに。

こうして比較してみると、2万円程度で売られている古いノートに搭載された第二世代のi3よりはずっと上で、最近のノートに搭載されているi3の半分くらいの性能ってとこですね。非力なのは否めませんが、ちょっとした作業程度ならこなせるという感じ。

Ryzenについて知りたい人は以下の記事をどうぞ。

Ryzenシリーズ全ラインナップの性能比較表とベンチマークテストの結果をintelのiシリーズと比較検証。
中古2万円のレッツノート。Core i3 2350M搭載ですが今の時代には厳しい性能です。

6万円の現行品Surface Go。Pentium Gold 4415Y は Atom x5-Z8300よりもマルチスレッドで1.6倍ほど性能が上ですが、約6万円という価格を考えるともうちょっとがんばってほしいところ。

Core m3搭載のPCもいまいちコスパに欠ける感じがします。

内蔵ストレージの速度

eMMCなのでSSDよりも数段劣ります。

デスクトップのSSDが500MB/sオーバーなんて当たり前なので138MB/sというのはずいぶん見劣りしますが、


HDDのこのスコアよりはマシですね。
シーケンシャルのWriteが遅いですが、これはeMMCの仕組み上まぁこんなもんでしょう。

次にSDカードスロットに100MB/sスペックの東芝製SDカードを挿して測定してみました。


100MB/sも出てませんね。
けど実用上は問題ないくらいの速度は出ています。

ちなみにこのSDカードをデスクトップPCのUSB3.0に接続して計測してみたところ


スペック通りの速度が出ました。
ただ一部項目ではタブレットのほうが速い数値が出ていますね。

購入したSDカードはこちら。amazonで1000円以下です。
なぜ東芝かというと、最近amazonでSunDiskの偽物がけっこう出回っているので、東芝ならわざわざ偽物作られたりしないかなと。

携帯性

本体が550グラム程度。ACアダプタは、145グラムのスマホよりちょっと軽く感じる。おそらく100グラム程度だと思います。
これに合成皮革のカバーが280グラム、マウスが50グラム、キーボードが260グラムで単四電池を4本使うので50グラムほど。持ち歩き合計で1290グラムとなりました。
実際には専用ACアダプタは必要なく通常のスマホ充電ケーブルで事足りたのでさらに100グラムは軽くなりました。ケースやキーボードを軽いのにすれば1000グラム切りもありえます。

以前使っていたノートがケースとマウスで2キロ超えていたのでかなりの軽量化。

入力機能

やはりキーボードとマウスは必須
日常的にWindowsを使っているユーザーならなおさら、ソフトキーボードのストレスはハンパない。
タッチパネルも長押しやダブルタップとかうまくいかないとイラっとくる。

bluetoothのキーボードとマウスを持っていないと余計な出費になってしまうが、どちらも非常に安く買えるのでこの際買っちまったほうがいいです。

ノートパソコンなら当然最初からキーボードが付いてますが、好きなキーボードを選べるっていうのは文字書きにはメリットだと思います。僕はプログラムやコードを打つことが非常に多いので、キータッチやキー配列を重視してキーボードを選んでいます。

僕は日本語キーボード派なのでこれを購入しました。

英語キーボードでもいいというなら軽くて人気のAnkerの製品。

マウスはこれ買いました。

なお、bluetoothのキーボードやマウスなんて不安定で使い物にならない、と思っている人は以下の記事を参考に設定してみてください。

Bluetoothのペアリング接続がブチブチブチブチ途切れまくって 「切れたいのは俺のほうだクソが!」 とストレスマッハな状況に陥ってい...

バッテリー

カタログスペックは本体単体で最大7時間。
中古なので若干弱っているものの、Youtubeを再生し続けたところでは5時間くらい持ちました。
ブログ書いてるくらいならマジで7時間持つかもしれません。
中古としてはかなり状態がいいと思いました。

バッテリーの容量については検索しても見つかりませんでした。
2.0A出力のモバイルバッテリーで使いながらの充電が可能だったので、消費電力はおそらく10W以下程度。
Atom x5-Z8300の仕様では消費電力2W~4Wだそうなので、たぶん全体で10W切っていると推測できます。ということはそれで7時間駆動できたとして70W。USBでの充電は5Vなので本体内蔵のバッテリーは14000mAhということに。
10000mAhのモバイルバッテリーを使えばさらに駆動時間を5時間ちかく伸ばせるかもしれません。憶測ですが。

余談ですが、システムをシャットダウンせずスリープの状態(電源ボタン1回押し)だと1日放置してるだけでかなりバッテリーが減ります。スマホのようにスリープだけなら数日持つというようなことはないので、持ち運ぶときなどは完全にシャットダウンしておいたほうがいいです。

付属ソフト

プリインストールのWindows10 Proのみ。
あとは東芝のお客様登録ユーティリティー程度。


Windows10の最新アップデートを適用した状態で37.7GBの空きがあります。

買い、なのか?

僕が購入した価格は以下の通り。

・dynabook Tab S60/S(中古) ¥13800円
・カバー(新品ジャンク品) ¥500円
・キーボード(Elecom) ¥2100円
・マウス(Elecom) ¥1180円

合計:¥17580円(税込み)

フルセット2万円以下なら十分”買い”だと思います。
本体だけ買ってヤフオクに流しても2万円くらいで売れるようなので1台に付き6000円ほど儲けが出そうです。

スマホしか持ってない大学生がちょっとレポート書くのにオフィスが必要になった、とか、メインでPCを持っていて、外出先でメール書いたりエクセル開いたり、クライアントにパワポ見せるときなどに使える感じです。
僕は外出先でサイトの修正やバナーの修正とかしています。やっぱ軽いのは助かりますね。

なんだかんだでオフィス要りますねぇ。

マクロとか使わないなら互換オフィスでもなんとか。

Atom x5-Z8xx0を搭載したノートパソコンは現行品にもあるくらいなので、それらのノートパソコンを4万円近い価格で購入するなら、中古のWindowsタブレットもアリだと思いました。

以下はAtom x5-Z8300を搭載した今でも新品で購入できるノートパソコンです。




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