コピーサイトに対するGoogleの制裁が容赦なかった件




今日は割とマジメな記事です。

ずいぶん前のことですがクライアントさんから「アクセスがぜんぜん増えないんですが何とかならないでしょうか」と悲痛な連絡がありました。

対象のサイトは半年以上前に立ち上げた、ライフ系のコンテンツを中心としたオウンドメディア。あ、オウンドメディアっていうのは企業がやるブログみたいなものです。最近というかここ数年の間にけっこう流行ってますねこういうの。

サーバの設定やwordpressのインストールとカスタマイズほか諸々を僕が発注もらって作りましたが、コンテンツや運営に関してはクライアントさんが自力でやっていくということで格安の案件でした。

そのサイトのアクセスがぜんぜん増えないというのが今回のご相談。




アナリティクスを拝見したら血の気が引いた

ノウハウのない企業のオウンドメディアなんて半年そこらじゃせいぜい数千PV程度だろうし、どうせ「すぐ数十万PV達成して広告費ウハウハ」なんて夢を見ていたんだろう、ちょっとは現実に引き戻されたかなと思っていました。

オウンドメディアなんて99%失敗するくらいの覚悟が必要ですよってね。
もちろんそれは話を受けたときにアドバイスしていたものの、なぜだか自信に満ちていたのでスルーされてしまいました。

ということで公開以来僕は一度も関わっていなかったアナリティクスに、権限をもらって拝見してみました。

は?

うそやろ?

なにこれ。

ちなみにこれは運営開始から数カ月たったとある月のPVです。
いちばんアクセスがあった日でPV6。

6ですよ。PVが。

こんなことある?

一瞬、僕がミスってたのかと思って凍り付きましたね。おしっこ漏れるかと思いました

まず疑ったのがwordpressの設定。
テスト用に検索エンジンにインデックスしないようになっているのかと思ってチェックしてみたがちゃんとインデックスされるようになっていた。

テストの時のBasic認証かけたままにしてあったんじゃないかと焦って.htaccessをチェックしてみたけど問題なし。

そもそもそういう基本的なことはリリース時にチェックしているし。

サーバ周りやドメインのほうもチェックしたけど何の問題もない。

アナリティクスのタグがおかしいんじゃないかとチェックして、サーバのログもチェックしたけど問題なし。本当にマジでアクセスがない。

インデックス状況を確認

サーチコンソールでクロール状況をチェック。
問題なくインデックスされている。エラーは1つも出ていません。

おかしい。

インデックスされたページは70ページほど
wordpressでアップされた記事数とほぼ合致している。正常です。

念のためドメイン名で検索してみたけど正常にインデックスされていた。

原因は○○○サイト判定されたこと

何が何だかわからない。長年webで食ってきてこんなことは初めてです。
僕が適当に月に1回書くか書かないか程度でやってたブログだって1日に20PVくらいありました。月600PVですね。

いくらなんでもおかしすぎる。

ふと思い立って、記事の文面をコピペってググってみました。

・・・。

出てきました。

複数のサイトが。

複数?

まったく同じ文面のサイトが、クライアントのサイトの他にいくつか出てきました。
多くの人が名前くらいは聞いたことがあるくらい超大手のサイトも出てきました・・・。

これはどういうこと?

すぐにクライアントに問い合わせると、アップしていた記事は元々他のサイトへ提供していた記事で、それらをまとめてアーカイブ的に作り上げたのが今回のサイトだと判明した。

他のサイトとの契約では、記事の著作権はクライアントにあって、記事の二次利用に関しては著作者であるクライアントが決めていいことになっていたそうで、そういう経緯で再利用してサイトを作ることを思いついたらしい。

つまり、自社で作ったコンテンツだけどすでに他のサイトで公開されてしまっていて、その記事を再利用したにすぎない、ということでした。

これがGoogleから見ると「パクリサイト」「コピーサイト」に見えたんですね。
権利がどうこうとかGoogle先生にとっては知ったこっちゃない、先着最優先ということです。
パクリサイト、コピーサイトは許すまじ、というGoogleの信念を感じました。

そのため、一般的に検索されそうなキーワードではまったく出てこなくなって、記事の一文を丸ごと検索かけてようやく出てくるほど低評価の扱いに。

パクリサイトやコピーコンテンツでサイトを作り上げたことがなかったので今回初めてこういう事態に遭遇しましたが、サーチコンソール上には何のお知らせも出ないんですね。

っていうかクライアントさんにはもっと早い段階でこちらに知らせてもらえれば・・・。
まぁ知らせてもらってもどうしようもないんですけど。

パクリ、絶対ダメ!

もちろん再利用じゃない新規の記事もあったようですが、全体の1割にも満たないほど少なく、ほとんどの記事がどこかのサイトですでに公開されてしまっている記事。

これを再度アップしたところでGoogleからはコピペしただけのパクリサイトと認識されてしまい、未公開の新規記事にもアクセスが集まらない状況になってしまっていました。

パクリサイトの烙印を押されてしまうと、たとえ新規の優れた記事があってもサイトの価値は徹底的に低評価とされてしまうようです。

そういえば昔、○KWAVEってとこがQAサイトをコンテンツとしていろんなサイトに提供していて、何かを検索すると上位がそのサービスで提供されたQAに埋め尽くされるという時期がありました。
あれは一つのQAシステムを多くのサイトへ提供して、各ドメインの被リンクを稼いだりとか今でいうブラックSEOみたいなことを超大規模にやっていたビジネスモデルでした。車のQAが健康サイトのドメインで出てきたりしましたね。

Googleにとってこういうやり方は気に食わなかったんでしょう、今や検索でそれらのQAサイトが出てくることはなくなりました。

今回の件でGoogleがパクリサイトに課すペナルティは相当キツいものだと実感しました。
これは当然まとめサイトパクリブログにも当てはまります。
他のサイトからコピペして楽して作った手抜きページなど、Google先生は許さないということです。

「ちょっとコピーしてペーストしてみたけどこの文量なら引用の範疇かな? やばいかな?」

と、少しでも後ろめたさを感じるのなら止めたほうが無難です。
GoogleのAIはその絶妙な後ろめたさ加減を把握していると思います。

アクセスを稼ぎたいがためにコピペしたり引用しまくったりしてせっせと記事を量産していたのに、ペナルティを受けたがために却ってアクセスを下げてしまいかねないことになります。

画像に関しては今のところ厳しくはないようですが、画像のインデックスにも取得日時を記録しているので、そのうちオリジナリティを重視するようになるかもしれません。
このブログでも素材サイトの画像を使ったりしていますが、いつの日かペナルティを課せられる日が来るかも・・・。

ブログの記事がパクられました。 と言ってもこのブログじゃないです。っていうかこんなブログの記事をパクるやつはさすがにいませんよね。 他で...

結局クライアントから申し出があって、サイトは閉じることになりました。
幸い大して費用はかかっていないのでダメージは微々たるものですが、落胆ぶりはそれなりに感じました。

個人的にはサイト内容を刷新し、パクリサイトの烙印を押されても復活できるかどうかテストしたいところですが、僕個人の興味でクライアントに苦労してもらうわけにもいきませんね。

企業やプロブロガーがクラウドワークスなんかで記事を募集していますが、納品されたその記事が本当にオリジナルかどうかしっかりチェックしたほうがいいと思います。
すでにどこかで公開されてしまっていたり、大部分がコピペで切り貼りのパクリ記事だったりすると、サイトそのものの評価まで影響を及ぼしかねません。

ネットの世界でGoogle様に逆らっては生きていけないんですよ。




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